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事件: 

Kさんがインターネットのホームページを立ち上げたのは、約1年前のことだ。自分が契約したプロバイダに、自分の愛犬についてのホームページをつくり、犬の写真や、日記などを掲示していた。
そんなKさんの住所や名前、電話番号、URLが、ある掲示板に書き込まれてしまったというのだ。

この相談を受けたとき、我々はとっさに「身内(友達)の仕業だ」と思った。と言うのも、この手の事件の場合は、過去に相談を受けてきたほとんどすべてのケースが、ごく親しい仲間の犯行であったからだ。
ところが、いろいろと事情を聞いても、特に知人関連の犯行形跡は見えてこない。

 

真相:

この事件は、最終的に犯人を追いつめるところまでは至っていない。ある程度の状況証拠はあるものの、あくまでも疑わしいという範囲に留まっていたからである。

我々の調査/推測によれば、犯人Aは、チャットを通じて、Kさんと知り合いになった。知り合いになったといっても、一般的なチャットルームで、インターネットの雑談を何人かでしただけの関係である。その時、Kさんは自分のホームページを紹介し、Aはそのホームページを知り訪問した。Aがどういう性格の人間かは定かではないが、推測するにKさんにとても興味をいだいたのではないかと思われる。ホームページを見たAは一度だけ(Aを名乗ったメールは)、Kさんにメールを送ってきている。内容的には、ホームページを見た感想を書いた単なる挨拶程度のメールであり、Kさんも、当たり障りのない範囲で応答をした。

その頃、Aとは全く関係のないことなのだが、Kさんにある雑誌の企画会社から、メールが届いている。内容は、「次回の雑誌のユーザーホームページの紹介コーナーでペットの特集があり、あなたのホームページを雑誌で紹介したい」というものだった。ホームページを公開している人なら多くの人がそうであるように、Kさんは驚きながらも喜んだのは言うまでもない。そして、「掲載の可否、および見本誌を希望なら、住所、氏名、電話番号をメールで連絡ください」と記してあったので、すぐに「掲載許可と、送付先情報を返信をしてしまったのだ。

この雑誌の話を調査してみると、明らかにKさんの住所、電話番号を入手するためのソーシャルエンジニアリング(いわゆる詐欺)のようである。当然ながら、Kさんお元に、そのような雑誌はいっこうに送られて来ないし、また、存在もしていないようだ。
メールを送信してきているアドレスは、Freeのメールアドレスで、名前はもっともらしい雑誌の名前が使われている。ヘッダーを分析すると、例のAのヘッダとの共通点が多く、80%以上の確率でAからのものであると推測された。さらに、時系列的に追いかけてみても、Kとの接点、偽メール、掲示板への投稿が、同じ時期にタイミングを計ったように並んでおり、Aの可能性が高いと言える。

しかし、追跡はここまでである。ひとつはその後の被害が何も発生していないこと、さらには、この事件自体が、取り立てるほどの被害に及んでいないので、とりあえず棚上げになっているのだ。

 

考察:

この事件は(あくまでも推測ではあるが)、いかに簡単に住所や電話番号を聞き出すことができるかということを立証しているという面で大変興味深いと言える。このような、雑誌社からの掲載依頼の場合、喜びが大きく、また、機器喪失をしたくないので情報を発信してしまうという人間の心理は、簡単に止めることは出来ないと思われる。
あなたならどうだろうか?

ホームページを開設している人は、注意が必要である

 

※事件の重大さを表現するために一部事実を変えて記しています


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